2010年5月4日火曜日

玄岳

大人になっても仲のいい父子は例外なく一緒に山登りしていたと聞いたことがある。
それで、妻子を連れて静岡県の玄岳(くろだけ)に登った。

伊豆半島の付け根にある玄岳は標高799mしかないが、見晴らしの良さで有名である。(昔は有名だったらしい)

息子はあまり気が進まないようだったが、少々無理して連れて行った。

2歳から3歳にかけて何回か一緒に山に登ったが、去年色々あってどこも登れなかった。5歳になった息子に聞くと山の記憶は残っていないようだ。まあそんなもんか。

熱海まで電車で行き、ひばりが丘行のバスに乗って「玄岳ハイクコース入り口」といういたって分かりやすい名前の停留所で降りた。降りた客は私たちだけだった。

そこからしばらくは住宅が立ち並んでいる急勾配のアスファルトだった。10分ぐらい歩いたら息子が疲れたとぼやき始めた。まだ始まったばかりじゃないかと焦る。
なだめたり、背中を押したり、色々やってやっと山道に入った。山道に入ったとたんに息子も元気が出て、先に立って歩き出した。

玄岳山道の入口
写真は山道に入るところ

玄岳は曇っていたが少し暑かった。頂上で富士山が見えるといいんだけれど無理かもしれない。

山道に入ると少しなだらかな坂が続いて、道標もちゃんとあり、道に迷うことはない。

それにしても人の姿がない。以前高尾山や筑波山に行ったときは息子の足が遅くて、後ろに行列ができてしまった。それで先に行ってもらうために、何度も待たなければいけなかったが、それに比べると天国のようだ。

大した山ではないが、延々と登りが続くのでだんだん疲れてきた。そのうち息子がリュックで背負ってほしいと言い出して、背負って登り始めた。

玄岳リュック
彼は背中で楽しそうに本を読んでいた。(いいなあ、息子よ大きくなったら私を背負って登ってくれないか)

玄岳帰ったら新品
途中写真の看板を見かけた。帰ったら新品だといいがよれよれになりそうだ。

玄岳見晴らし台
見晴らし台まで来ると熱海の街が雲の合間に見えた。海が灰色にしか見えないが、晴れていると青く広がる海が見えるそうだ。そこで食事をした。二人目の登山者に出合った。

一休みしてから頂上を目指した。だらだらした坂が突然急勾配になり、息子が頭が痛いと言い出した。休むかあきらめるかと聞くと、もうひとつあるでしょと言う。聞くとまたリュックに乗りたいと。あまりの急勾配だからちょっと怖かったが、結局乗せる羽目になり、死にそうになりながらたどり着いた。
頂上に着いたら息子はとても元気になって跳ね回っていた。(結局リュックに乗りたかったのね)

玄岳頂上
頂上はまずまずの視界だったが、富士山はやはり見えなかった。持ってきた凧を揚げたら風に乗ってきれいに揚がった。周りにはハンググライダーやパラセールが10機以上も飛んでいて、ここがスカイスポーツのメッカだと知り、今度はみんなでパラセールやろうかという話をした。

玄岳氷が池
帰りは登りと反対の函南の方向に向かい、途中氷が池によった。氷が池はとても静かできれいな場所で、もう一度写生をしにに来たいところだったが、伊豆スカイラインが近くを通っていてバイクがうるさかった。

下る途中急坂の為、ロープを張っているところを3か所通った。息子に気を取られていて自分が滑って転んでしまった。

さらに降りていくと道が二つに分かれているところにでた。そこに道標がなくてうろうろした。えいやっと右に降りて行ったら無事函南についた。(道標がなかったのはここだけ)

丹那断層公園
函南では丹那断層を見に行ったが、公園になっているだけで誰もいなかった。途中息子から断層って何としつこく聞かれ、説明に窮したので行けば分かるとごまかした。断層を見せたらわかったようだった。

そこから携帯でタクシーを呼んで、函南駅に向かった。ところが駅まで残り2キロで息子が気持ち悪いと言ってタクシーを降りて吐いた。息子は車が大好きだったのに今はすっかり嫌いになってしまった。歩きたくないという息子をまたリュックに背負って函南駅に着いた。(疲れた)

息子にどうだったと聞くと、疲れた、思ったより長すぎだと言って不服そうだった。

私も予想より息子をリュックに背負うはめになって半死半生になったが、それなりに楽しかった。今度山に行こうというと一緒に行ってくれるだろうか。

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